ナシゴレン

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開発学を学ぶ!オランダ大学院留学② ~出願書類準備編~

 

前回の記事では、大学院進学の動機と志望校選びについて書いた。

今回はISSへの出願準備から合格までについて記したい。

 

[オランダ大学院進学出願編]

  1. 出願のスケジュール
  2. 出願に必要な書類
  3. IELTS対策
  4. 推薦状
  5. 志望動機書

出願のスケジュール

イギリス大学院留学の場合、留学エージェントがたくさんいるが、オランダ大学院の場合はエージェントが存在しない。プログラムの選択から出願まで全て一人で行う必要がある。

 

自分の場合、出願のスケジュールは下記の通り:

 

12月 志望校の決定 ⇒ ISSを選択

1月 IELTS受験、書類準備、出願

2月    合格

出願に必要な書類

主に下記の4点。推薦状だけは自分で用意できので少し大変だが、他の書類に関しては難しくないと思う。

因みに、オランダの大学院の場合、出願は全てオンラインアプリのStudielinkを使って行う必要がある。登録時に本人確認書類としてパスポート写真が求められるので、先に取得しておくことをお勧めする。

  •  IELTS6.5以上のスコアカード
  •  推薦状2通
  •  履歴書(CV)
  •  志望動機書
  •  学部時代の成績証明書(英語表記でGPA付)
  •  パスポート

以下、一つずつ順を追ってどうやって準備したかを説明していく。

IELTS

IELTSに関しては、まずはテスト形式に慣れるつもりで受験してみた。

3日後に結果が届き、意外にも初受験でオーバーオール7.0を取れたので出願要件を満たすことができた。

受験申込さえすれば、IETLS Premium(無料)で模擬試験や各パートの練習問題が解けるのでお勧めである。

試験はとにかく尿意との戦いなので、試験前にはコーヒーを飲まないことをお勧めする。

推薦状

推薦状はアカデミックとプロフェッショナルをそれぞれ1通提出する必要がある。前者は学部時代のゼミの担当教授、後者は職場の上司にお願いした。

ISSのウェブサイトで推薦状のフォーマットがダウンロードできるので、早めに推薦者に送って記述内容を考えてもらった方が良いだろう。

他の書類がStudielinkにアップロードできたタイミングで推薦者に推薦状をISSに送ってもらえるよう手配するのが無難かもしれない。

全ての書類をアップロードし、推薦者からISSに推薦状がメール送付されたのが確認された時点で、出願完了となる。

履歴書(CV)

履歴書は書式自由である。自分の場合、ヨーロッパ基準の推薦状のサンプルをネットで探して、Wordで作成した。

構成:

1.基本情報(名前、生年月日、連絡先、住所等) 

2.サマリー 

⇒ 自己紹介となぜ進学したいかを1パラグラフで記述。このパートがつまらないと審査員側は興味をもってくれないと思う 

3.職歴 

⇒ これまで4団体を経験。2ページ以上にはしたくなかったので、各職務の業務内容を簡単に記載

4.学歴

⇒ 専攻名、学部時代に受講した修士課程に関連する授業名、ボランティア経験、卒業論文のタイトル等

5.受賞歴

⇒ なんでも良いので受賞歴を記載。自分の場合は学部時代の表彰を記載

6.資格、スキル

⇒ IETLSスコアや取得した資格。国際協力の実務に関わる研修(PCA、RRA、社会調査手法、NGOマネジメント等)の修了証ももれなく記載。

 

こぼれ話

ず~と昔、「伊藤家の食卓」←Z世代は知らないかな(笑)、ハガキの裏面の縁をマーカーで色付けすると目立つので、懸賞に当たりやすいと紹介されていた。実際にこの方法を使って、全国2名限定の懸賞に当たったことがある。CVも同様にデザインが重要なので、しっかりと色付けして、審査員の目に留まるよう目立たせるのも戦略である。

 

志望動機書

一番しんどかったのが志望動機書の作成だった。ISSに進学したい理由がありすぎるので、1000文字の範囲で纏めるのに苦労した。ただ項目を羅列するのではなく、いかにインパクトがある内容にできるかがカギだと感じている。あ~でもない、こ~でもないと頭を抱えながら、一週間かけて2回くらい書き直した。

 

構成は下記の6項目に分けて書いた:

 

1.イントロダクション(自己紹介)

⇒ インパクトが出るよう小説のような文体で書き出し。「トンネルを抜けたらそこは雪国だった」みたいなイメージ。自分はどのような人物で何をめざしているのかを要約

2.学部時代の経験

⇒ なぜ学部時代に国際協力を専攻したか、勉強する中でなにを感じたか。ボランティアや研究経験(卒論)などを記述

3.職歴

⇒ どんな志を抱いて、どのような開発の仕事に携わってきたか。

4.開発に対する問題意識

⇒ フィールド経験を通じて、どのようなことに問題意識を持ったか

5.なぜISSで学びたいか?

⇒ これまでの経験から何を研究したいか。そして、なぜそれがISSではなきゃだめなのか

6.将来の目標

⇒ 大学院修了後はどのような道に進みたいか。

 

ポイントとしては、組み立てたストーリーをパラグラフできちんと書くことだと思う。

 

自分の場合、ストーリーの組み立ては下記のような感じである:

 

大学で国際協力を専攻したことで開発学を学ぶ重要性を知った ⇒ そして卒業論文では○○の開発問題をテーマに研究に取り組んだ ⇒ 卒業後は国際協力の仕事についた ⇒ 現場での仕事を通じて、開発途上国の○○の現状について疑問を抱いた ⇒ 現場で得た問いを理論的に理解し、研究したい。そのためにはISSがベストな大学院である ⇒ 大学院で得たスキルを活かして更なる業界で○○の仕事に関わりたい

 

ネイティブ添削って必要?

ただ、いくら自分だけで書いても主観では読み手にどんな印象を与えるか判断が難しい。

ネイティブの出願に詳しい人に添削をしてもらいたいけど、エージェント使えないしどうしよう。。。そんなときにググって引っかかったのがTop Admit。海外の有名大学・大学院出身のネイティブが添削してくれる有料サービスである。

 

独りで準備するのはけっこうしんどく、疲れて判断力も鈍っていたことから、衝動的に申し込んでしまった。志望動機書は5万円、CVは2万5千円とめちゃくちゃ高額な買い物だった。

 

2日後、遅延があったが添削されたファイルが戻ってきた。正直、期待していた添削サービスと全然違った。

 

なぜなら:

  • ファイルのアップロード時に質問欄に書いたことについて、全くフィードバックをもらえない(職務経歴には数字を用いた方が良いか、志望動機のインパクトはどうか等)
  • 添削者の専門分野が明らかに違う。開発に関わる専門用語を理解していないことが明らかだった(ウェブサイトには一番出願分野に近い編集者が担当すると書いてあった)
  • 提出期限の48時間を超えても添削されたファイルが戻ってこない
  • 編集者がタイムマネジメントできない人材なのだろう。遅れて返却してきたのにタイポ(打ち間違い)やネイティブなのに文法ミスがあった。添削後に見直していないのが明らかである。メッセージ機能でこちらから文法ミスを指摘したら、謝ってきた(笑)
  • 構成も確認してくれるサービスのはずが、英文の添削だけ。

まぁ、アメリカの苦学生に募金したとして、合格できたし良かったとしよう。というより、そう捉えないとやっていけない。

 

なんだかんだで全ての提出種類の準備がそろったわけである。

次の記事ではいよいよ出願から合格通知を受け取るまでを書きたい。